[CoT開発日誌3] 日常と非日常の境界線

静寂の彗星Comet of Tranquilityは週末をメインに開発を進めており、おおよそ4週に1回、開発内容を紹介していきます。
概要の紹介は初回の記事からどうぞ。

1月が40日ある暦を作ったら遅刻してないことになりませんか? なりませんか、そうか……。

終末世界の日常だったもの

間が空いてしまいましたが、前回の記事ではゲーム本編。世界が終了してしまった後の生活について触れました。目が覚めたらあなたはひとり、何が起こったか分からない、けれど生き延びなければならない。ホラーや異世界転移ものでもあるシチュエーションですが、こうして見ると最近のライトノベル作品は何が起こるのか神様に説明してもらえるだけ、親切なのかもしれませんね。

CoTの世界では、転移ではなく地続きの生活を想定してシナリオを組んでいます(もちろん転移して頂いて問題ありません)。世界の終わりという極大の非日常を組み入れる以上、その前の日常についても触れた方が良いでしょう。

覇権を目指して辿り着いた先

地球の海が71%を占めるならば、その星の海は40%前後。使える資源も多く、暮らせる大地も広く、あらゆる国家がひしめき合っていました。そして、誰が最初の引き金を引いたのかが問題にされないぐらい、直接的な争いと陰湿な陰謀が溢れていました。危険な兵器が生まれたとき、話し合いによって禁止するのではなく、ただ防御策が編み出されました。地上では防御に限界があるので、地下に人口密集地を作る。あるいは、広い大地に散らばって、標的にされないようただ祈る。これを指して、もう終わったようなものだと言う者もいたことでしょう。

もっとも重要なのは、そんな星でも街を越え丘を越え国を越えネットワークを越え、細々と交流は続いていたという事実です。本編で登場する人工衛星「コメット」もそのひとつ。「早く戦いなんて終わればいいのに」。通信可能圏内を出るギリギリの、ありふれた書き込みは、本来なら誰にも相手にされずに流れていくはずでした。

それが、終焉前に行われた最後の書き込みだと特定されるまで、かなりの月日が流れることになります。

前日譚と後日譚

まだ開発者としては迷っていますが、前日譚として、戦時下ではあれどささやかな幸せがあった頃を舞台に含めることを検討しています。ライトノベル主人公のように、急に未知の島に流されても、なんやかんや仲間を見つけて、島の奥にある秘密を解き明かして無事脱出まで迷いなく進める人は稀だと考えています。同じように、世界終了しました、食料を集めて生き延びられるようにして、謎に挑んでみてください、ではまあダレます。前日譚は下ごしらえのようなもので、国境を越えて親切にしてくれたあの人や、昔同じ街に住んでいたはずのあの子のような、キャラクター同士の関係性を仕込む時期として考えています。……どう作ったらいいかなあ()

前日譚に対して、という意図ではありませんが、定まった後日譚がひとつあります。静寂に包まれた星で生きたキャラクター達の記録を、何者か――あなたが収集しています。2月にそこまで具体的な進捗が出せない可能性が高いので、次回の開発日誌ではあなた達観察者の話を扱おうかと思います。

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