[AOMD開発日誌6] 世界観解説: 宇宙へ人が飛び出すまで

隕石掘り達の星学Astronomy of Meteorite Diggersはおおよそ週末に開発を進めており、おおよそ4週に1回、開発内容を紹介していきます。
全体の紹介はこちらの記事からどうぞ。

第六回は本ゲーム世界の背景事情について。今までのシステム紹介で少しずつ触れてはいますが、そもそもどのようにして宇宙開拓の舞台が整えられたのかについて解説します。

神秘が幻想となり科学と工業が破滅を呼んだ世界


「隕石掘り達の星学」の世界は1400年代から未来にかけた、現実世界の地球をベースにした架空戦記世界です。なんのこっちゃ、と思われた方、この後の説明を読んでもピンと来なかった方は、こう考えて下さい……現代人で借金に苦しむ感性を持つ人間で遊ぶ世界です。この記事で語られる歴史は、教養があると言われる人々の知識であって、地上ではなく宇宙で暮らすキャラクター達には飯の種にもなりません。間違って覚えているなら良い方で、すべてをちゃんと把握していることは稀でしょう。

あんまり興味がないな、と感じた方は、最後の辺りまで飛ばして大丈夫です。


現実世界との大きな違いはふたつあります。まず、宗教戦争時代と言われていた17世紀頃まで、現実世界において、精霊、幻想・伝承上の生物、魔術が実際に力を得ていたことです。それを人間が実害のあるものとして恐れ、あるいは利用してきました。吸血鬼、魔法使い、聖なる力を振るう聖者、人を攫う妖精、はたまたゾンビまで、かつては力を持っていたのです。

しかし、それらに対抗するべく発達して、自然科学の進歩と共に、そのような存在の大部分は失われたか姿を隠しています。また、後に起こる大戦の結果、それらの資料は散逸しています。とはいえ、存在しないわけではなく、残り香は一部の人々に認知されており、それを利用する技術や研究組織も並列して発達しています。あなたのキャラクターも、そのような力の一部を残しているかもしれません……誰に言っても信じてもらえませんが。


もうひとつは、「世界大戦」の結果の大きな変化と、それによる地球の荒廃です。「隕石掘り達の星学」の時代では忌名とされ、ただ「鉤十字」および「鎌と槌」と呼ばれる二大国は、最終的に開戦しませんでした。機械技術による兵器開発に優れた「鉤十字」も、遺伝子操作による生体兵器開発の本家とも言われる「鎌と槌」は、その政治・社会思想に挑もうとする連合の攻勢を耐えきりました。両大国による冷戦と疲弊の後、地球規模の妥協――軍縮条約が署名された瞬間に、世界の大部分は破滅しました。国境線に配備された大国の無人兵器群は、互いに手を出さずすれ違いながら、大陸を蹂躙したのです。

どうしてそのようなことになったのかは、誰も知りません。残ったのは未だに無人兵器群に荒らされるユーラシア・アメリカ大陸と――史実より鎖国が長引き、冷戦を利用して急成長した、大日本帝国と、兵器の活動が難しい極地に残った居住地群でした。


地球連邦の成立


唯一の"帝国"となった島国の力の元は、規模の大小こそあれ軍事産業を含む八大企業によって支えられていましたが、これらの企業は凡そ公益の為に機能しているとは言い難い存在でした。軍は大企業が3つも手を組めば対抗できず、統制すべき帝国議会は企業政治に翻弄される劇場と化していました。破滅した大陸世界へは救援ではなく利益のために遠征し、権益のためであれば他企業の戦艦でも爆砕する。当然、その恩恵に与る人々以外からの評判は最悪でしたが、世界の復興のためにその力は不可欠でもありました。


各地の居住地との連絡がある程度軌道に乗った頃、かつての国際連合の枠組みから着想を得、大企業の闘争の場を国内――帝国議会ではなく、地球全土へ、移す構想を成功に導いたのは、同じ帝国人だったと言われています。おおよそ"民主的"とは言えない状況ですが、それでも各居住地は"1票"を売り渡す対価として大企業から支援を買うことができるようになり、帝国議会よりは予測困難にもなりました。地球連邦は、大企業のゲームの舞台として作られたのです。


時代が進むにつれ、この急ごしらえの仕組みは歪な面を露呈し始めました。大企業同士の力関係がある程度はっきりすると、元々帝国内で行われていた勢力争いに地球すべてが巻き込まれるようになってきました。地球連邦大統領は企業同士の駆け引きの結果生まれ、何も決められず退任していくと思われるようになりました。とうとう小娘が、どこかのご令嬢が大統領になったと、皆が諦めのため息をついた頃に、新しい大統領が言いました。


宇宙開拓事業の興り


「加盟国、加盟居住地の努力により、地球は再び、隣人と手を繋げる姿を取り戻しつつあります。しかし、大陸は未だ"遺産"に苦しめられ、根本的な解決の目処はなく、加盟国同士の軋轢も増しています。それでも、私たちの手はまだ届くと信じています。隣人と、海の向こうの友と、空に旅立った同僚と、見上げた星々の向こうへと」

どんな政治力学が働いて、彼女が――小野 理沙と言う無名で若い政治家が大統領になったのか、怪しむ人もいました。大統領というのはどうせ何もできない存在なのだと吐き捨てる人もいました。世界は荒れ果てていて、素直に信じることができた人はほとんどいませんでした。

実際のところ、最初から八大企業のすべてが協力したわけではありませんでした。とはいえ、科学技術の研究と躍進を掲げる「夜天光研究団」は、大統領の発言より前に、宇宙に空間施設を建造しており、その協力は彼女の目論見の大きな助けとなりました。

事業に対して他の大企業を協力させるため、当面の目的は宇宙資源の確保とされました。

危険な世界の開拓を進める人員は、地球全土から――最低限の座学と訓練を乗り越えられれば良しと、大企業から見向きもされない人々から集めました。

施設のセキュリティシステムは職員をA、B、Cの資格で区別していましたから、新たな区分としてDを追加する必要がありました。


"D"iggers。この俗称が敬意と共に語られるか、無謀な挑戦に乗せられた犠牲者として記されるかは、これから一歩踏み出すキャラクター達にかかっています。




次回はテストプレイ版の予定と、協力頂いた方に付与するアカウントアチーブメントについて。1月1日中に公開できるかはちょっと予定がわかりませんが、良い2021年をお過ごし下さい。

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